

やはり、天才といわれる人の私生活がどんなものか気になりますよね。
そこで今回はメイソン・カリー著、天才たちの日課の書評を書いてまとめていこうと思います。
天才たちの日課 目次と概要
今回ご紹介する天才たちの日課の目次は以下の通りです。
W・H・オーデン(詩人)
フランシス・ベーコン(画家)
シモーヌ・ド・オーヴォワール(作家・思想家)
トーマス・ウルフ(作家)
パトリシア・ハイスミス(作家)
フェデリコ・フェリーニ(映画監督)
イングマール・ベルイマン(映画監督)
モートン・フェルドマン(作曲家)
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(作曲家)
ルートヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン(作曲家)
セーレン・キルケゴール(哲学者)
ヴォルテール(作家・思想家)
ベンジャミン・フランクリン(政治家)
アンソニー・トロロープ(作家)
ジェイン・オースティン(作家)
フレデリック・ショパン(作曲家)
ギュスターヴ・フローベル(作家)
アンリ・ド・トゥールーズ・ロートレック(画家)
トーマス・マン(作家)
カール・マルクス(思想家・経済学者) … 他141人
本書では、作家、作曲家、映画監督、画家など。
世界的に有名なクリエイターの日常を切り取られたものが描写されています。
天才たちの日課の内容
今回、こちらでは161人の天才のうち3人の日常風景を抜粋してご紹介します。
天才①:ルートヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン
まず1人目に紹介するのは、誰もが知る作曲家、ベートーヴェンです。
朝食はコーヒーで、細心の注意を払って入れた。1杯につき、豆60粒。正確を期するために1粒ずつ数えることもよくあった。

毎朝、コーヒー豆の数を1粒ずつ数えるなんて普通は考えられませんよね。
神経質というか、こだわりが強すぎるというか。
こうした性格が、そのまま作曲に生かされたおかげで数々の名曲が誕生したのかもしれません。
また、ベートーヴェンはよく散歩をしながら作曲をしていたそうです。
昼にしっかりと食事をとったあと、さっそうと長い散歩に出かける。(中略)いつも鉛筆を1本と五線紙を2、3枚ポケットに入れて持ち歩き、浮かんできた楽想を書きつける。
仮にあの「運命」も散歩をしながら思いついたのだとすると、それはそれはとてつもない発想力ですね(笑)
さらに、ベートーヴェンは少し変わった手洗いの習慣を持っていたといいます。
全てをネタバレするとまだ読んでいない方のお楽しみを取ってしまうので、それについてはぜひ、実際に本を手にとって読んでみてください。
天才②:パブロ・ピカソ
続いてご紹介するのが、あの伝説の画家、ピカソです。
「ピカソは食事中、めったにしゃべらなかった。最初から最後まで一言もしゃべらないこともあった」フェルナンドはそう回想している。「退屈しているように見えて、じつはなにかに夢中になっているときもあった」。
フェルナンドはピカソの7年越しの恋人のことです。
気晴らしはしても、遊びほうけることを嫌ったというピカソ。
どこにいてもなかなか絵のことが頭から離れなかったんですね。
「不機嫌で非社交的な面と、明るく社交的な面がくるくる入れ替わった」。いっぽう、絵を書くことに関しては、飽きることも疲れることもなかった。
つまり、ピカソは根っからの職人気質だったようです。
あれほど特異で独特な絵を描く人物なので、多少私生活がおかしくてもあまり驚きませんよね。

天才③:アルベルト・アインシュタイン
最後は、20世紀最大の物理学者、アインシュタインです。
慎ましい暮らしぶりにもかかわらず、アインシュタインはプリンストンでは有名人だった。その理由は、科学的業績のすばらしさだけでなく、いつもぼんやり上の空で、だらしない格好をしていたからであった。
これこそ、本書の副題にある通り、「クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々」をあらわすような生活ですね。
原子爆弾の発明の元となった相対性理論を発見し派手な功績をあげる一方で、私生活では住んでいる町で有名になる程だらしのない格好をしていたのですから。
自分の容姿、見かけがどうでもいいと感じるほど研究に没頭していた証拠かもしれません。
天才たちの日課を書評
自信をなくしたときに読み返したい本
計161人にも及ぶ天才の日常風景が描き出された本書は、中身のおもしろさはもちろんのこと、どこか勇気を与えてくれる1冊でした。
こんな天才でも日常生活は思いのほか普通なんだ、とか。
結局はみんな同じ“人間”なんだ、とか。
出てくる人物はとてつもない偉人ばかりだったにも関わらず、ゆったりとした気持ちで読み進めることができました。
日々、結果を出そうと努力を繰り返す中で、自尊心を失いかけてしまっているという方にはうってつけの本だと思います。
コーヒーのお供にもぴったり
本の構成としては、1人の天才につき数ページ程度で短くまとめられていたので非常に読みやすかったです。
ただ、エピソードは全部で161人分あり、全体としてはかなりの分量があります。
そのため、1日1人など日々の休憩の時間などを使って徐々に読み進めていくことをおすすめします。
天才たちの日課の評判と読者の感想
ここからは天才たちの日課の読者さんの感想を見ていきましょう。
『天才たちの日課』メイソンカリー
何度読んでも面白い。ルーティンをこなすってことは、日常の細々としたことを考えなくなるので、頭に余白が生まれストレスがなくなると信じて、無理せずに一つ一つをこなしていたら心身ともに楽になってきたような。
無理せず余裕を持って暮らそう。 pic.twitter.com/f2rkhjipTh— 5冊だけの本屋 (@5satsudake) July 24, 2019
最近読んだ「天才たちの日課」によると後世に名を残した作家やら画家などいわゆる創作活動をなりわいにしたプロフェッショナルは、だいたい午前中3時間しか働いていない。よく働くひとでもさらに午後3時間、合計6時間しか働いていない。だからみんなもっと休もうぜ。 pic.twitter.com/1bJisdJ1Cf
— Nov-Jun (@novjun_g) February 27, 2019
読むと「天才たちでもこんなもんなんだ」と気が楽になるという方も多いのではないかと思います。
天才たちの日課 まとめ
これまであまり見られなかった「天才の日課」という切り取り方は、とても面白く、新鮮でした。
天才たちの日常を少しのぞいてみたいという方は、一度手にとってみてはいかがでしょうか。
天才たちの日課の文庫本の発売は?
天才たちの日課の文庫版の発売は、残念ながら現時点ではありません。
文庫版出版の情報が入り次第、追記させていただこうと思います。
天才たちの日課女性編が発売!
そして昨年(2019年)の9月26日に本書、「天才たちの日課」の第2弾となる「天才たちの日課 女性編 自由な彼女たちの必ずしも自由でない日常」が発売されました。
今回、女性版ということで、特に女性の方は第1弾よりさらに共感し納得できる天才たちの日常風景に出会えるかもしれません。
ぜひ、この「天才たちの日課 女性編 自由な彼女たちの必ずしも自由でない日常」も合わせてチェックしてみてください。