【書評】アイデアのつくり方、ジェームス・W・ヤング

  • 2019年11月12日
  • 2020年4月26日
  • Books
学生
アイデアってつくれるものなの?

 

世間一般で知られるアイデアは「閃くもの」だというイメージがありますよね。

 

しかし、実はアイデアは「閃くもの」ではなく「つくるもの」だったんです。

 

では、一体どのようにアイデアを「つくる」のでしょうか。

 

今回はジェームス・W・ヤング著「アイデアのつくり方」の書評を書いてきます。

 

 

アイデアのつくり方 目次

 

今回ご紹介する「アイデアのつくり方」の目次は以下の通りです。

 

序ーウィリアム・バーンバック

日本の読者のみなさんに

まえがき

この考察をはじめたいきさつ

経験による公式

パレートの学説

心を訓練すること

既存の要素を組み合わせること

アイデアは新しい組み合わせである

心の消化過程

つねにそれを考えていること

最後の段階

二、三の追記

解説ー竹内 均

訳者あとがき

 

本文はもちろんのこと、地球物理学者の竹内さんが書かれた解説もかなりためになる内容で面白かったです。

 

本書を手に取った方はぜひ注目して見てみてください。

 

アイデアのつくり方 要約

 

ここからは「アイデアの作り方」の内容をかんたんにまとめていきます。

 

アイデアを生み出す二つの原理

 

アイデア作成の基礎となる一般原理について大切なことが二つあるように思われる。

 

まずはじめにアイデアを考えようとした際、アイデアを見つけ出す“原理”を知っておく必要があります。

 

その二つの原理というものがこちら。

 

① アイデアは一つの新しい組み合わせであるという原理

② 新しい組み合わせを作り出す才能は事物の関連性をみつけだす才能によって高められるという原理

 

これだけ見ても少し分かりづらいと思うので、掘り下げてみていきましょう。

 

まず①で述べられていることをわかりやすくまとめると次のようになります。

 

アイデア

× 全く新しいことを一から作り上げるもの。

◯ これまで生み出されてきた様々なアイデアを組み合わせることで生み出されるもの。

 

アイデアはゼロから生み出すものではなく、すでにあるものを組み合わせることで生まれるものなのだそうです。

 

そしてこれらのことを踏まえた上で2つ目の原理について考えます。

 

アイデアを組み合わせるためには、そもそもそのアイデア同士に関連性を見つけ出さないと、それらを結びつけて考えることが難しいですよね。

 

例えば、「野球」と「サッカー」を見て

 

スポーツとしてまったく別ものだね

と考えるのか、あるいは

 

どっちもボールを使って遊ぶから、組み合わせたら面白いんじゃない?

と考えるのか。

 

後者のように、関連性を正確に見つけ出し、組み合わせることで「キックベース」という新たな競技が誕生するんですね。

 

個々の事実がそれぞれ分離した知識のいっぺんにすぎないという人もいる。そうかと思うと、一つの事実が一連の知識の鎖の中の一つの環(わ)であるという人もある。

 

同じ二つの事実を見つけた時に、そこに関連性を見いだせるかどうかというところですでに組み合わせを作れるかどうかが決まってしまうというわけです。

 

いうまでもないが、この種の関連性が見つけられると、そこから一つの総合的原理を引き出すことができるというのがここでの問題の要点なのである。この総合的原理はそれが把握されると、新しい適用、新しい組み合わせの鍵を暗示する。そしてその成果の一つのアイデアとなるわけである。

 

つまり、新たなアイデアを見つける、あるいは作るためには、まず2つの物事の共通点や関連性を見つけ出すところから始めるべきなんですね。

 

アイデアを生み出す五つの段階

 

“原理”の次は具体的な“方法”のお話です。

 

実際にアイデアをどのように生み出すのか。

 

一つずつ見ていきましょう。

 

①:資料集め

 

第一 資料集めー諸君の当面の課題のための資料と一般的知識の貯蓄をたえず豊富にすることから生まれる資料。

 

まずはじめに、アイデアの素となる情報を集めます。

 

ここで集める資料は大きく分けて二つに分類されます。

 

一般資料・・・世間の様々な出来事に関する資料
特殊資料・・・製品と消費者に関する資料

 

ここでは割愛しますが、それぞれの資料の詳しい特徴や集める際の注意点はぜひ本書を手にとって確認してみてください。

 

②:心の消化過程

 

第二 諸君の心の中でこれらの資料に手を加えること。

 

事実同士が噛み合うのかを考え、パズルのように組み合わせる作業がこの二つ目の段階です。

 

筆者のジェームズ・W・ヤング曰く、この段階がかなり難易度の高いものなのだそうです。

 

③:放置

 

第三 孵化段階。そこでは諸君は意識の外で何かが自分で組み合わせの仕事をやるのにまかせる。

 

ここで驚くことに、第三の段階ではこれまで散々考えてきた問題を一度放棄します。

 

ただ、これには明確な意図があります。

 

“無意識”を使うためです。

 

また、この間に自分の感情・想像力を刺激するもの(映画、小説、劇など)に浸るとより効果的なのだそうです。

 

④:つねに考えている

 

第四 アイデアの実際上の誕生。<ユーレカ!分かった!みつけた!>

 

第4の段階で、ついにアイデアを誕生させます。

 

このアイデアの誕生は思ってもみない形で起こります。

 

アイデアの訪れてくるき方はこんな風である。諸君がアイデアを探し求める心の緊張をといて、休息とくつろぎのひとときを過ごしてからのことなのである。

 

ただ、これは「つねに考える」という段階を経てから起こるものだということも同時に理解しておくことが大切です。

 

無意識を使う →  つねに考える →  休息をとる →  アイデアが訪れる

 

アイデアを作り出すため際には、このプロセスを踏むことを意識してみてください。

 

⑤:最後の段階

 

第五 現実の有用性に合致させるために最終的にアイデアを具体化し、展開させる段階。

 

ジェームズ曰く、アイデアが良いものであれば、それは周囲の人にとって刺激的てあり、自然と手を貸してくれるのだといいます。

 

アイデアというものは自分の中で完結させるのではなく、周囲にも共有するからこそ意味があるものですよね。

 

この最後の段階で、しっかりとアイデアを自分の外に出してあげる必要があります。

 

アイデアのつくり方を読んだ感想

 

分量は本書の帯にもある通り、1時間以内に読み切れるほどの長さでした。

 

一方で、中身は実用性もあってとても価値のあるものだったと思います。

 

特に、無意識でアイデアを作り出すという発想はこれまでになかったので、読んでいて驚かされました。

 

そのほかの内容も丁寧かつ簡潔にまとめられており、スラスラと頭に入ってくる印象でした。

 

分量は少ないにも関わらず、本書を読み終えた後、普通の本を三冊読み終えたときと同じくらいの充実感・満足感を得られました。

 

これから何度も読み返すであろう本のうちの一冊になると思います。

 

アイデアのつくり方の評判は?

 

ここからは、「アイデアのつくり方」を読んだ方のレビュー・評判を見ていきます。

 

 

もともと英語の本だということもあり、翻訳特有の読みづらさを感じている読者さんも何人か見かけました。

 

ただ、内容に関してはかなり高評価が多い印象を受けました。

 

アイデアのつくり方 まとめ

 

今、アイデアを必要とされている方、何か新しいことを始めようと考えている方。

 

そうした方にはぜひ読んでいただきたい一冊です。

 

アイデアを考えるノウハウを1時間で学んでみてください。

 

 

アイデアのつくり方と合わせて読みたい本

 

ここで、今回書評した「アイデアのつくり方」以外で、アイデアを具体的にアイデアを生み出す方法がまとめられた著書をいくつかご紹介します。

 

おすすめ本①:考えるための道具を手にする「考具」

 

 

「考具」では、アイデアを手に入れるのに必要な道具をまとめて知ることができます。

 

日常生活の中で使える考具、企画書に使える考具、部活やサークルなど学生生活で使えるような考具まで。

 

幅広い年代の人に「考える道具」を与えてくれる本です。

 

おすすめ本②:イノベーションを学ぶ「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?」

 

 

「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?」では、イノベーションを起こすまでのプロセスを実際の経験談から学ぶことができます。

 

どのようにして、今のUSJのようにこれまでの常識を次々と覆すイノベーションを思いつくのか。

 

そうした発案のプロセスを「イノベーションフレームワーク」という本書の著者森岡毅さん独自のノウハウとして語られています。

 

USJのV字回復の要因なども合わせて知ることができるのでおすすめです。